中学数学をサクッと復習! ― 【東大の先生!文系の私に超わかりやすく数学を教えてください!】

書籍

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こんにちは、まてがめです。

学生のうちは必ず学ばなくてはならず、社会人になっても求められる学問の一つが「数学」です。

特に中学校までの数学(中学数学)は数学の基礎であり、この範囲の数学だけでも、分野や職種を問わず十分に役立ちます。

しかし、「基礎=簡単」ではありません。あなたも次のどれかに当てはまってはいませんか?

  • 高校生になったけど、正直言うと中学数学の内容からあやしい
  • 仕事で数学の知識が必要になったけど、学生時代は数学が苦手

基礎ゆえに決してあなどれないのが中学数学です。

数学につまづく人の様子

といっても、中学数学は分量もそれなりにあります。私のサイトでも小学算数から学び直せるコンテンツを発信していますが、中学数学で扱う内容をすべて復習しようと思ったら、おそらくかなりの記事数を読んでもらうことになるでしょう。

時間がないからとにかく短時間でサクッと復習したい!」という方もいますよね。

そんな方に今回オススメするのが、【東大の先生!文系の私に超わかりやすく数学を教えてください!】という本です。

概要

この本はタイトルの通り、東大の有名教授である西成活裕(にしなりかつひろ)さんがわかりやすく中学数学を教えてくれる本です。

大きく5つの章に分かれており、1日1章ずつ読み進める形式になっているので、最短5日で中学数学を復習することができます

また、最後の章には高校数学の花形「微積分」についても簡単に解説しています(以下引用)。

  • 1日目:なぜ、私たちは数学を勉強するのか?
  • 2日目:中学数学を最速・最短で学ぶ!
  • 3日目:いきなり!中学数学の頂点「二次方程式」をマスターする!!
  • 4日目:サクッと理解!中学数学の「関数」をマスターする!!
  • 5日目:余裕で!中学数学の「図形」をマスターする!!
  • 6日目:<特別授業>数学の最高峰「微分・積分」を体験してみる!!

その他の詳細は次の通りです。

  • 出版社:かんき出版
  • 発行日:2019年1月21日
    2022年4月時点で18刷(重版出来)となっており、とても定評のある本です
  • 価格(税込):1,650円
    ↑値段もお手頃なので、学生でも買いやすいです。

西成先生は「渋滞学」の研究で知られており、2021年には「歩行者がお互いにぶつかることがある理由」についての研究でイグ・ノーベル賞を受賞されています。

参考リンク:
2021年イグ・ノーベル賞の謎 受賞者が考える、動力学賞と物理学賞の「なぜ?」(東京大学 先端科学技術研究センター ニュース)

実はまてがめが高校生の頃、西成先生が学校へ講演に来てくださったことがありました。講演後は学んだことを実践しようと、渋滞が起こらないようみんなで前の人との間隔を開けながら教室に戻ったのを覚えています。

オススメポイント

会話を通じて物事を理解する人の様子

対話形式で進んでいく内容

この本では、学生時代に数学でつまづいた経験をもつ郷和貴(ごうかずき)さんと西成先生が対話する形で内容が進んでいきます。

難しい表現や言葉は控えられており、2人の会話を聞いているような感じで読み進められるので、とにかく読みやすいです。各章のページ数は異なりますが、あっという間に1章分が読み終わるので、本当に5日で中学数学が復習できちゃいます。

聞き手も先生も読者目線

聞き手である郷さんと解説をしてくれる西成先生の両方が読者目線で会話をしているところもオススメポイントです。

聞き手の郷さんは数学が苦手だったこともあり、要所要所で読者がふと考えうるような素朴な疑問を先生に問いかけてくれています。なので、共感しながら読んでいけるはずです。

また、それに対する西成先生の答えがとてもわかりやすく、特に、誰でもわかるような具体例をあげながら説明している点はさすがだといえます。数学としての内容を理解している私も、「なるほど、確かに!」とうなずきながら読み進められました。

明確なゴール&最短ルート

この本で注目したい点の1つが、「中学数学を学ぶにあたってのゴールを初めのうちに設定してくれている」ことです。

普通に学校で学ぶ数学では、「どこへ向かって進んでいるのか」や「何がわかるようになればよいのか」がわかりにくいことがあります。しかしこの本では、それを初めにはっきりさせた上で内容に入っていくので、安心して読むことができ、理解できたかどうかの判断も自分でしやすいように作られています。

もう1つ注目したいのが、「最短ルートで内容が進んでいく」点です。

通常、中学校で学ぶ数学は各学年で3分野「代数(方程式)」、「解析(関数)」、「幾何(図形)」をまんべんなく、かつ少しずつ学んでいきます。一方、この本では分野ごとに要点がまとまっているため、頭の中のスイッチを切り替えずに各分野のエッセンスを一気に学ぶことができます。

まさに独学にピッタリの1冊です。

注意点

この本を読むにあたっては、次の2点だけ注意しておいてください。

  • 問題演習用の本ではない
    この本を使えば中学数学における考え方の本質は学べますが、練習問題がたくさん載っているわけではないので、問題演習には不向きです。別の本・参考書を使うことをオススメします。
  • 中学数学で扱う内容すべてが事細かに書かれているわけではない
    この本では、中学数学でメインに扱う3分野「代数(方程式)」、「解析(関数)」、「幾何(図形)」についてはしっかり解説されていますが、その他の単元(確率や統計など)については解説がありません。

お買い求めの際には、この2点で自分のニーズとズレがないか確認するようにしてください。

難易度

難易度ごとに距離が異なる道

難易度は小学校高学年以上です。文章の言葉づかいも難しくないので、算数や数学に興味がある人であれば、どんどん読み進めることができます。

ちなみに、あまりにも短時間で中学数学が学べてしまうチート本のため、西成先生いわく「R16指定」とのことです(笑)。

この本がオススメな人

この本は次のような方にオススメです。

  • 中学数学を先取りしたい小学生
  • 今まさに数学を学んでいる中学生
  • 高校数学(数学ⅠA)がいまいちわからない高校1年生
  • 数学を一から学び直したい社会人

数学に対して苦手意識がある方・数学を学ぶ意味がわからない方にぜひ読んでもらいたいです。数学を使って実際に現代社会の問題に取り組んでいる先生の言葉は、どれも腑に落ちるものばかりなので、読み終わる頃には数学に対する見方も変わっているはずです。

当サイト「学問の摩天楼」では、こうした学習にオススメの本の紹介の他、誰でも一から楽しく理学を学べるコンテンツを発信しています。メイン記事の方も、ぜひあなたの学びに役立ててくださいね。