三角関数の意味が一からわかる! ― 【Newton別冊 三角関数】

書籍

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こんにちは、まてがめです。

数学における重要な単元の1つに三角関数(cos, sin, tan)があります。数学はもちろん、物理や化学などの学問でも欠かせないツールです。

ですが普通に学んでいると、その意味や使い方をきちんと理解するのには時間がかかります。これには大きく3つの理由があります。

学校のカリキュラムと三角関数の位置関係

その1 「中学数学まで全く登場しない

便利なはずの三角関数ですが、中学数学の範囲までで触れることはまずないので、慣れる機会がありません。

その2 「高校数学における内容の多さ

高校1年生(図形と計量)でようやく登場する三角関数ですが、高校3年生でも新しい内容(微分・積分)を引っ提げて出てきます。中学数学までで扱ってこなかったこともあり、すべてをしっかり理解しようとすると結構大変です。

その3 「高校では数学以外での応用例をほとんど学ばない

三角比ぐらいなら高校物理でも扱うのですが、逆に言えばそのくらいしか使わないので、高校の履修範囲だけでは利便性がいまいちわかりません。

そんな三角関数への理解を助けてくれるのが、今回紹介する本【Newton別冊 三角関数】です。

三角関数をこれから学び始めたい(あるいは学び直したい)方三角関数を学ぶ意味がわからない方にオススメの一冊です!

概要

本書は6つの項目で構成されており、三角関数の基本・基礎から応用例までを幅広く扱っています(以下引用)。

  1. プロローグ
  2. 三角関数の基礎
  3. 三角関数の重要公式
  4. 「三角形」から「波」へ
  5. 三角関数とフーリエ解析
  6. もっと知りたい!三角関数

個人的には、フーリエ変換と音楽に関する記事がとても興味深かったです。私まてがめは、昔から音楽だけは大の苦手科目(追試になったことも…)だったのですが、数学を使うことで音楽がどのように理解できるかが書かれていて、これを読んだ今なら改めて音楽も楽しく学べるのではと感じました。

その他詳細は次の通りです↓

  • 出版社:ニュートンプレス
    ↑有名な科学雑誌『Newton』を発行している会社です。
  • ページ数:176
    ↑読み切りやすい分量になっています。
  • 価格(税込):1,980円
    ↑お手頃な価格なので、学生さんでも買いやすいです。

オススメポイント

本を読んで内容に納得している様子

フルカラーで図・絵・写真がとにかく豊富

全ページがフルカラーであり、三角関数について図・絵・写真をふんだんに使って説明してくれています。

数学では、「視覚的にどのような意味を持っているのか?」がわかっていると、理解が大きく深まりますから、その点においてこの本は素晴らしいです。

今まで文字の羅列にしか見えなかった多くの公式も、はっきりとしたイメージを伴って見えてくるはずです。

内容が網羅的

この本では小学校で学ぶ三角形から出発して、大学で学ぶフーリエ変換を始めとした応用例まで内容が展開されています

三角関数を学んでいった先にあるゴールがちゃんとわかるので、三角関数を学ぶモチベーションを作ることができます。

背景・意義がわかる

数学を勉強していると、「気づいたら新しい考え方や概念が出てきていた」なんてことがよくあります。おそらく三角関数も例外ではないでしょう。

そういった部分に丁寧に答えてくれているのがこの本です。特に「三角関数がなぜ生まれたのか?」や「三角関数がどう役立つのか?」といった、理由や動機についてはとても詳しく書かれており、学校の授業や参考書からは得られない背景や意義を知ることができます

この点も、公式の理解や学習意欲の向上を助けてくれるはずです。

著者がエキスパート&人数が多い

実際に三角関数を扱うような分野で大学教授を務めていたり、数学教育に詳しい方々が執筆しているので、複雑な説明はなるべく控えつつも、高度なレベルの内容まで学ぶことができます。

加えてこの本は、14人ものエキスパートが執筆を担当しているため、偏った考え方やスタンスになっていないのも魅力的です。

うれしい付録付き

三角関数は、他の単元に比べて多くの公式が登場する単元です。

この本では、余弦定理などの有名な公式についてはもちろん証明も含めて詳しく解説されているのですが、なんと付録資料には本編で紹介しきれていないものも含め、多くの重要公式がまとめられています

三角関数を勉強する時の資料集としても活用できるのは、とてもありがたいですね。

ここまで説明してきたように、三角関数を学ぶ方であれば、この本はぜひ一読してもらいたいのですが、「問題演習用の本ではない」という点だけは注意しておいてください。

この本で三角関数の本質や基礎を理解することはできますが、アウトプットに必要な練習問題はあまり多くは掲載されていません。なので、三角関数の問題演習が行いたい場合は別の本で行うことをオススメします。

難易度

難易度別に分かれた3つのドア

難易度は中学生以上で設定されていると感じました。最低でも小学算数の時点で学ぶ「角度」や「三角形」といった基本的な知識くらいはあった方がよいでしょう。

ただ、それでも図や写真が豊富なので、小学生以下の子でも、親子で一緒に楽しんで読むことができると思います。

この本がオススメな人

この本がオススメなのは次のような人です。

  • 数学が得意で、もう少し先の内容も理解してみたい中学生
  • これから三角関数を学ぶ、あるいは今学んでいる高校生
  • 三角関数の知識が必要になったが、内容を完全に忘れてしまった、または一から学ばなくてはならない大学生・社会人

基本的には、一から三角関数をストレスなく理解したい方にオススメです。値段もお手頃なので、少しでも興味があれば、ぜひ買って読んでみてください。

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